【助産師監修】夜間断乳っていつからOK?

夜間授乳をしているママたちにとって、月齢が大きくなってきても夜中に何度も泣いて起きていると

「夜間の授乳っていつまでするの?」

と、疑問に思うことも多いと思います。
また、寒い季節になると、夜中に何度も起きて赤ちゃんの対応をするのが大変になってくるので

授乳・ミルクをやめていきたい!と思ったり。

今回は、ママたちが知りたい夜間授乳と眠りについて解説し、「夜間断乳」しなくても赤ちゃんが夜間に泣いて起きなくなっていくポイント「寝る力」についてお伝えします。ねんねのプロたちに聞いた、体験談もご紹介していきますね!

夜間授乳っていつまで必要?

夜間授乳がいつまで必要なのかは個人差がありますが8〜9ヶ月ごろから自然と夜間に泣いて起きなくなってくる赤ちゃんは多いです。

離乳食が3回食になったり、成長とともに一度の哺乳量も上がって日中に必要な栄養と水分を補っていれば、夜通し寝る赤ちゃんも増えてきます。

ただ、生後10ヶ月以降でも夜間授乳が必要なケースもあります。
早産・多胎児の場合、離乳食が進まない、日中の哺乳量が上がらない、体重の増加が少ない、ママが授乳を長く続けたい、乳腺炎のリスクが高い、などと言った場合には、ママと赤ちゃんに合わせて授乳を続けていきましょう。

12ヶ月以降になると栄養のほとんどを離乳食で補えるようになり、夜間授乳は必要なくなってきます。睡眠の観点からは、中途覚醒なく10時間以上寝られるように推奨しているため、1歳になるころにはほとんどの子が夜間授乳をしなくなっている方が良いと考えます。(授乳を継続したい場合には「日中」に続けていくとよいでしょう)

ネットなどの情報をみて5〜6ヶ月から「夜間断乳したほうが寝る」と考えるママもいらっしゃるかもしれませんが、実際には、ほとんどの赤ちゃんにまだ夜間の授乳が必要な場合が多いため、焦らずに成長を待ちましょう。

りえ

ねんねのプロ・つぼねりえ

「7年前、上の子の時にネットで『6ヶ月で夜間断乳できる』って情報を鵜呑みにし、夜泣きが酷くなった苦い経験があります。下の子のときはねんねを整えたら自然と7ヶ月ごろから夜間起きなくなってきたので、知識って大事だなと痛感しました。」

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断乳と卒乳の違い

断乳と卒乳の違いは、「やめる意思」がママにあるのか赤ちゃんにあるのか、で異なります。

断乳は、ママの意思や事情によって、授乳をやめることを言います。
徐々に授乳回数や時間を減らしていったり、泣いて欲しがっても与えないという方法です。

卒乳は、赤ちゃんの意思で自然と飲まなくなることを言います。
最近では、ママが計画的に授乳回数や時間を減らしていき、それに赤ちゃんが抵抗することなく欲しがらなくなれば、それも卒乳という場合もあります。

卒乳の時期は、1歳になる前の子もいれば、3歳、4歳になっても昼夜問わず、おっぱいを欲しがる子もいて個人差があります。

あやか

ねんねのプロ・黒柳あやか

「上の2人の時は、1歳3ヶ月と1歳の時に「断乳」しました。お茶を飲ませて寝かせても何回も起きてきて、一人目の時には何度か挫折。寝ない時、抱っこで部屋をウロウロしたのは辛かった。3人目は生まれたときからセルフねんねを促していたので自然に夜間起きなくなって1歳3ヶ月で「卒乳」しました。」

夜間断乳で夜泣きは減らせるのか

夜間に授乳をしなければ夜泣きが減ると思うママも多いのですが、実際には、夜泣きをしている原因によってその効果は異なります。

夜泣きの原因が授乳以外であったり、様々な原因が重複する場合には夜間断乳をしても夜泣きが減らない、むしろ酷くなる場合もあります。

一方で、ママのおっぱいを「おしゃぶり代わり」に求めて泣いている場合にはそれが寝かしつけの癖となっているため、夜間断乳は効果を発揮します。

特に、咥えた途端寝てしまい、授乳しようとしても飲んでいないような様子の時は「お腹が空いて泣いているわけではありません」。

夜泣きをする原因は「寝かしつけの癖」以外にも、部屋が暑い、寒い、お昼寝が足りない、お昼寝しすぎている、お腹が苦しい、オムツや衣服が不快、痒い、眩しい、うるさいなど多岐に渡ります。

したがって、夜間に何度も夜泣きする場合には、いきなり夜間断乳するのではなく、寝かしつけの癖以外で夜泣きしていないか、原因となりそうな要素を改善することからはじめましょう。

その後、「やっぱり授乳が原因」と見定めてから夜間断乳をすると夜間長時間戦わずにスムーズに改善できるでしょう。

ちなみに、1度でも授乳や抱っこで寝かせてしまうと癖になると心配しすぎるママもいますが、授乳や抱っこを絶対に「NG」と思いすぎなくて大丈夫。必要なときには、授乳や抱っこをたくさんしてあげましょう。

きさこ

ねんねのプロ・石田きさこ

「娘二人とも自然に卒乳しました。下の子の時に、授乳寝落ちで寝かせ続けたら癖になるか試したところ、生後8ヶ月で夜間授乳がなくなり自然と夜通し寝て、日中は1歳9ヶ月に卒乳しました。執着も強くなく、夜泣きにも繋がらず、癖になるかどうかは、「子どもの気質も大きく関係している」と思いました。」

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夜間断乳が効果ある月齢

ずばり、生後9ヶ月以降!

生後9ヶ月は、ほとんどの子が離乳食が3回食になるため、しっかりと食べられていて体重が増えている赤ちゃんに関しては夜間授乳が不要になってくる子が多いです。

まずは、夜間に授乳しすぎていないか確認してみましょう。

夜間授乳回数(目安)
生後4〜6ヶ月:日中にしっかり飲めていたら1〜2回
         一度に飲める量が増えない子では3〜4回
生後6〜9ヶ月:  1〜2回
生後9〜12ヶ月: 0〜1回
生後12ヶ月〜: 0回

(医師の指導がある場合や修正月齢の赤ちゃんはこの限りではありません)

上記月齢ごとの夜間授乳回数の目安を参考にして、生後9ヶ月以降で頻回に起きている場合には夜間断乳を検討していくと良いでしょう。

特に、生後12ヶ月ごろになると、夜間に「授乳/食事」をすることで消化管が働き、睡眠の質や生活リズムに影響することがあります。

体調不良時や熱中症の危険がある時、慢性的な口呼吸といった水分補給が必要と思われる場合等を除き、基本的には、寝ている時間に食事(授乳/ミルク)や水分補給はしない方が良いでしょう。

あや

ねんねのプロ・柳澤あや

「生後6ヶ月で自然と夜間起きなくなり、10ヶ月のときに日中も含めて卒乳。卒乳の時にはおっぱいと眠りは一切関係なく、授乳/ミルクに頼って寝かしつけしていないと卒乳もスムーズな印象です」

夜間断乳の進め方

では、どのように夜間授乳をやめていけば良いのでしょうか?

STEP1

まずは赤ちゃんの寝やすい睡眠環境が整っているのかを確認しましょう。寝やすい環境でないと、どんなにあやしても泣き止まないこともあるため、断乳の効果が見えにくくなってきます。

参照:

STEP2

次に、毎回授乳や抱っこで寝かせている場合には、寝かしつけ方を変えて寝床にゴロンとさせ、自分の心地よい眠り方を探す経験をたくさんさせてあげましょう。

生まれてから何ヶ月も授乳や抱っこでしか寝て来なかった赤ちゃんに関してはそれ以外の眠り方を知りません。

お昼寝や就寝時に5〜10分程度で良いので寝床にゴロンとする時間を作ってあげましょう。

STEP3

睡眠環境を整えて寝床にゴロンを慣らしたら、夜間授乳時の対応を変えていきます。

①見守る時間を増やす

②一回の授乳時間やミルクの量を減らしていく

③授乳する時間を決めて、それ以外のタイミングで泣いたら授乳以外の方法であやす

①見守る時間を増やす

夜間に泣き出しても、まずは5〜10分は様子を見て泣き方を観察しましょう。

お腹が空いて強く泣いている場合には授乳しますが、弱い泣きや、断続的に泣いている場合には泣き方が強くなるまで待ちましょう。

睡眠環境やお昼寝リズムが整っていると、待っている間に自力で泣き止むこともあるでしょう。

②一回の授乳時間やミルクの量を減らしていく

例えば、今まで両乳合わせて10分授乳していた場合には、2分減らしてみます。ミルクなら120mlだったのを100mlにしてみる、などです。

量を減らしても再入眠できているなら、数日ごとに徐々に減らしていきましょう。

また、飲んだ後にゴロンさせてみた時に再度泣いてしまっても、5〜10分見守ってみましょう。

泣き止まないようであれば、減らした分を後から追加してもOK。徐々に減っていくように1〜2週間は続けてみましょう。

③授乳する時間を決めて、それ以外のタイミングで泣いたら授乳以外の方法であやす

赤ちゃんのお腹が好きやすい時間帯(普段泣きやすい時間帯)に授乳する時間を決め、それ以外の時間に泣いた際は、見守りや抱っこ、トントンなど、授乳以外の方法で寝てもらいましょう。

生後6ヶ月以降であれば、代わりにお水を飲ませてあげてもOKです。

明け方に泣かれるのが辛いと朝4〜5時に泣いたらすぐ授乳/ミルク対応をしがちですが、朝の離乳食の時間帯にお腹が空かない子もでてきてしまうため、授乳するなら午前3時ごろまでにし、明け方に泣いたときにはできるだけ見守るようにしましょう。

えみこ

ねんねのプロ・山下英見子

「一人目は生後5ヶ月でねんトレして、生後7ヶ月に入ってから徐々に夜間の授乳時間を減らしていきました。7ヶ月の終わりには起きなくなって夜間卒乳。下の子も7〜8ヶ月のときに明け方の授乳だけしていたのですが、それを少し見守ったらその日から授乳しなくても寝られるようになりました。自分で寝る力は大事!」

夜間断乳で注意すべきこと

夜間断乳で注意すべきことは、断乳=夜通し寝る、わけではないので、母子ともに負担が少なくなるよう下準備をしていきましょう。

また、授乳を長く続けたい場合には夜間の授乳を減らしすぎないことが大事なため、月齢ごとの目安の回数よりも1回程度多くても気にしすぎなくて大丈夫です。

ママのおっぱいが張ってしまう場合には搾乳や圧抜きをして乳腺炎などのトラブルにも注意しましょう。

赤ちゃんの成長発達や離乳食の進み具合、環境などによってはまだ夜間授乳が必要な場合もあるため、月齢だけで夜間断乳を判断しないようにしましょう。かかりつけの小児科などで確認することも大切です。

まとめ

無理やり何時間も泣かせて夜間断乳しなくても、赤ちゃんが自然と夜間に起きなくなってスムーズに夜間卒乳していくには、とても大きなポイントがあります。

それは

授乳/ミルク寝落ち以外の方法で眠る「自分で寝る力を育てておくこと」

今回ご紹介した夜間断乳の進め方は、「寝る力を育てるステップ」を踏んでいるため、ママにも赤ちゃんにも負担の少ない方法となっています。

これらのことに気をつけて、ぜひ、スムーズな夜間「卒乳」を叶えてくださいね。

一人で上手くいかない、不安な場合には、ねんねのプロがサポートしますのでぜひお問い合わせください。

【著者】ねんねのプロ・中山ゆうこ

【監修】助産師・川上愛実


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