ママパパが安心できる安全な寝床って??|安全を知るにはまず危険を知ろう!!

このコラムはねんねのプロ、あおたまい/andsleep あかちゃんとねんね保健室が書いています。

突然ですが、今どんな場所でお子さまは寝ていますか?

ベビーベッド、ベビー布団、大人の布団、大人のベッド…いろいろな場所や寝方があるかと思います。今のその寝床、ほんとうに親子そろって安心してぐっすり寝られる場所ですか??家庭によってそれぞれにスタイルがあるとは思いますが、危険な寝床の事例や気を付けたいポイントから、ご自宅の寝室を見直してみましょう~!

大人のベッドは危険がたくさん

まず、大人のベッドで一緒に添い寝のスタイル。

こちら、日本の家庭では寝室の場所が取れなくて、同室で寝るとベビーベッドのスペースもないから…とお話を聞いていても多いです。でも大人ベッドってすごく危ないの知っていますか?危険ポイントはどこか、ぜひ考えてみてください。いくつかあるのですが……

  1. 大人の掛布団やまくら
  2. マットレスが柔らかい
  3. 転落
  4. ベッドとの隙間

窒息の危険性は排除が鉄則

1、2に関してはベッドに限らずどの寝方でも同じです。

マットレスが沈み込んでしまうこと、掛布団などが被さってしまうことで、子どもにとって窒息のリスクがあるため危険です。1歳までは寝床には何もないことが安心。寝ついたときには顔周りになにもなくても、どこに移動するかわかりません。

寝返り前で動かないと思っている3か月までのお子さまもめっちゃ動きます。180度回転しているのは、よく見ると思います。乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防にも繋がるので、ぜひ安全に寝られるようにしてあげてくださいね。

消費者庁や小児学会も注意喚起している

3、4の転落や隙間ついては実は、消費者庁や小児科学会からの注意喚起があります。

医療機関から消費者庁へ、平成 27 年1月から令和2年9月末までに寄せられた事故報告では、6歳以下の子どものベッドからの転落事故は 912 件で、そのうち、大人用ベッドからの転落と見られるものは 722 件、ベビーベッドからの転落は 139 件、2段以上のベッドからの転落は 51 件でした。さらに大人用ベッドからの転落のうち、0歳児が 433 件(60%)、1歳児が 122 件(17%)の計 555 件(77%)

消費者庁「0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください!-頭部を負傷する事故に加え、窒息事故も報告されており、ベビーベッドの安全基準が見直されています」

医療機関には行っていない転落などもあることを考えると、どれだけベッドから落ちているかなあと怖いです。

ベッドガードしていれば安全?

だから、ベッドからの転落を防止するためにベッドガードを使用している方もいらっしゃるかもしれません。

そのためのベッドガードでしょ?対策してるよ?と思いますよね。

でも!その対策も乳児期の赤ちゃんと寝るのに使用することはおすすめできません。

ベッドガードとベッドに隙間ができてしまい、挟まってしまうと自分で抜け出せなくて窒息してしまった事故も発生しています。この事故のケースは、隙間ができるのを知っていて気になるからタオルで隙間の対策をしていたのに起こっています。

日本小児科学会No.70 ベッドガードとベッドとのすき間で発生した窒息

また、ベッドと壁の間での救急搬送された事故(画像左)も、転落しないようにと対策したり、床にクッションや毛布などを敷いていた場合でも起こっているので、大人のベッドで寝かせることは危ないということを再度知っておいてもらえたらと思います。

消費者庁ホームページより

安全なベビーベッドも注意が必要

あかちゃんの窒息や転落防止など一番安全に寝かせられる場所は、ベビーベッドです。

でもこれにも注意が必要です。

ベッド下が収納スペースで柵が開閉し、寝具面の高さが変わるタイプのベビーベッドは各メーカーにもあって主流かなと思いますが、正しい使い方できていますか?

こちらも消費者庁からの注意喚起があって、「収納部分の扉が不意に開いたために、乳児の頭部が敷具と収納部分の上枠の隙間に挟まって窒息し、死亡あるいは重体に陥ったという重大事故」が起こっています。(画像右)

私自身この記事をみてこわっ!と思い、すぐにチェックしました

寝返りやつかまり立ちをしだしたら寝具面の高さを下げると思います。上の段の枠よりも下の段の柵側に寝具が下がる場合は、下の扉が開いてしまうと事故に繋がることがあるので注意しましょう。

消費者庁HPより引用「木製ベビーベッドの収納扉が不意に開き 乳児が窒息する重大事故が発生!」

SGマークやPSCマークがついている製品でも事故は起こっているので、ベビーベッドの使用方法にも注意が必要です。

日本における乳児用ベッドの現状は、PSCマークは必須で、ついていないと販売できないことになっています。SGマークを取得している製品において製品の欠陥による人損事故が起きた場合は賠償措置が講じられることがあり、JISマークについては任意です。

寝具を安全に使用するポイント

安全に寝具を使用するためのポイントをチェックして!

  • 使用する際はロックやずれがないかを必ずチェックする
  • 商品に書かれている対象年齢、使用方法の説明をきちんと読んで、安全に使用できる範囲での使用をすること
  • ベッドガードは18か月~使用。ベッドとのサイズや高さが合っているかもチェック!
  • ベビーベッドは、扉の開閉時にはロックがかかっていることを必ず確認すること。隙間ができそうな場合はロックが外れて開かないように紐などで開閉柵を固定する。ロックの故障を見つけたら使用しない。
  • 上の子がいる場合には、間違って柵を下げたり、扉を開けたりしないように(できないように)注意すること
  • 0~1歳までは大人のベッドでは寝かせず、床でのお布団や、ベビーベッドで寝かせる。

旅行に行くときは事前準備とチェックを怠らない

旅行や帰省などで宿泊する場合、ベッドガードが宿泊先で用意されていることもあります。

私自身、旅行がすきなのですが、事前にベビーベッドの貸し出しはないか、洋室ではなく和室はないかなど、確認しています。事前に確認することで、HPなどに記載がなくても準備してくださることもあるので一度確認してみてくださいね。

大人のベッドで一緒に寝ることは避ける方が、ゆっくり休めて旅行や帰省を楽しめます。

最後に

事故例を挙げると恐怖心や不安から気になって寝られない…!と思うかもしれませんが、安全に寝かせられる環境を作ってあげることでリスクは減って、しかも子どもも寝やすい環境が作れるんです。

すごく大切なので、おうちの安心な寝床を作るときのポイントは以前の記事にも詳しくあるので、そちらも一緒に見直しのヒントにしてみてくださいね。

家庭にあった方法がわからない!という場合は、コンサルタントが安全安心なねんね環境づくりのお手伝いもしています。困ったときはご相談くださいね。

家族みんなで安心してぐっすり寝られますように。


この記事を書いた人/あおたまい/andsleep あかちゃんとねんね保健室

京都出身/一児の母
・大学卒業後、京都の某大学病院にて勤務
・結婚を機に、予防医学メインのクリニックを経て、現在フリー保健師
・資格取得後はご家族のサポート、母子支援事業や幼稚園などで講師としても活動中