ドッカトットで寝かせているママ・パパちょっと待って!|安全な寝床のために必要なこと

このコラムはねんねのプロ、オルセンまいこ/Sleep and Playが書いています。

ねんね改善は安全な寝床が大前提

赤ちゃんの寝床に危険が多すぎる

開業して、早3か月…さまざまなねんねトラブルを見てきましたが、その中でも特に多いのが、赤ちゃんの寝床が危険すぎる問題。

私たちが睡眠改善に取り組む前に最重視するのは、赤ちゃんの安全です。

日々、乳幼児の子育てに追われていると、どうしたら長く寝てくれるのだろう、どうしたら夜通し寝てくれるのだろうと、睡眠トラブルにばかり目が行きがちですが、何よりも大事なのは、赤ちゃんが安全な寝床で寝ること。

オルセンまいこ

今日は、睡眠環境の正しい知識をもって、赤ちゃんの寝床を整えるお手伝いができればと、このコラムを書いています。

ドッカトットて何?

DockATotブランドサイトより引用

みなさん、ドッカトットというベビーグッズをご存じですか?

ここ最近、私のところに来たクライアントさんが立て続けに、こちらの商品を使用していました。

ドッカトットは、スウェーデン発祥の持ち運び可能な赤ちゃんマットです。

小さなプレイマットの周りをバンパーで囲ったもので、0~8か月の乳児が対象年齢となっています。ご友人宅や実家帰省などの外出時に、抱っこ紐以外の選択肢として、赤ちゃんを横にするのに、非常に便利な製品ですよね。

少し前の日本では、畳に座布団というような場面も多かったのですが、最近ではフローリング家庭も増え、このようなアイテムがあると、赤ちゃんとの外出において大変重宝します。

ドッカトットの正しい使用法

仮のスペースで就寝用ベッドではない

ドッカトットはあくまで、赤ちゃんを一時的に横にすることができる仮のスペースであって、就寝用ベッドではありません。

赤ちゃんを寝かせる場合には、親の監視下で使用することが注意事項として記載されているのをご存じでしょうか?

このような一時的な赤ちゃん専用の小さなスペースで、赤ちゃんがすやすやと心地よさそうにしているのを見ると、ベビーベッドよりもこちらのほうがよく眠るのではないかと、夜間就寝時などの親の目の届かないところで使用してしまうケースが増えているようです。

同じような用途の製品に、おやすみたまごやベッドインベッドなどがあげられますが、このような商品においても、親の監視下で使用することを徹底したほうがよいでしょう。

オルセンまいこ

私も長女出産時に授乳ピローを丸めて、その真ん中に娘を置くという危ないやり方をしてしまったことがあり、今思うと、ぞっとする経験です。

親の監視下での使用が望ましい製品一覧
DOCKATOT
おやすみたまご
ファルスカ ベッドインベッド

何が問題なの?

顔が埋もれ、口や鼻をふさいでしまう

では、なぜ、何が危ないのでしょうか?

このような柔らかな素材が赤ちゃんの顔の近くにあると、顔が埋もれ、口や鼻をふさいでしまう可能性があります。窒息のリスクが非常に高くなり、とても危険です。

一時的な赤ちゃんのスペースだけでなく、ぬいぐるみや掛布団などはベビーベッドに入れないことを消費者庁でも呼びかけています。

赤ちゃんは、思った以上に動き回ります。

寝返り前は、寝ているだけと思われがちですが、気づいたら頭と足が寝た時とは真逆の方向に向いていたなんてことありますよね?

窒息事故のリスク

消費者庁が平成28年にリリースしたデータによると、赤ちゃんの不慮の事故で最も多い原因が、就寝時の窒息死です。

平成22年から平成26年の5年間では、1歳未満の就寝時の窒息死は160件確認されており、不慮の事故死全体の約3分の1をしめています。

また、その160件の中で最も多い事故状況が、「顔がマットレスなどに埋まる」であり、33件の報告があります。

消費者庁「0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!―家庭内で、就寝時に窒息死事故が多数発生しています―」
161024kouhyou_1.pdf (caa.go.jp)

対策と注意

ここからは、赤ちゃんがぐっすりと安全な寝床で眠るための対策と注意をあげていきます。

まずは、できるだけベビーベッドを使用し、ぬいぐるみ・ブランケット・枕・サイドガードなど、事故につながるようなものはベビーベッドには、いれないこと。

添い寝で布団を使用し、家族が川の字で寝ている場合には、保育者と同じ布団に寝かせるのではなく、赤ちゃん専用に別の布団を用意し、寝床を分けましょう。

ベビーサークルなどを使用すると、より寝床の線引きがされ、寝返りし始めた時期にも親の介入を最小限に、赤ちゃんを安全な寝床で見守ることが可能です。

そして、就寝時には、スワドルを正しく巻き、落ち着かせてあげましょう。

生まれたての赤ちゃんは狭い空間を好みます。ベビーベッドよりも、ドッカトットやベッドインベッドですやすや眠る理由として、お母さんの胎内にいた状態に似た環境が落ち着くためです。

オルセンまいこ

スワドルも仰向けに寝かせるなど、ほかのねんねグッズ同様に、必ず使用方法を確認してから、生活に取り入れましょう。

安全な寝床については、こちらの記事も参照!

まとめ

睡眠コンサルタントとして、赤ちゃんの睡眠改善に取り組む際は、まず安全な睡眠環境を前提に寝床を整備していきます。

しかし、多くの保育者が、赤ちゃんがすやすや眠っている危険な寝床を卒業するのは、難しいと思っています。

たしかに、すでに安定した寝床から、まっさらで平らなベビーベッドに移行するのは、不安がありますよね。

そうなる前に、ドッカトットのような製品は、親の監視下で一時的に使用するなど記載された正しい使用法を守り、就寝時には安全な寝床で寝かせる睡眠習慣を作っていきましょう。

オルセンまいこ

安全な寝床への移行は私たちねんねのプロがアドバイスしますので一緒に頑張りましょう!

【参考文献】

*消費者庁「窒息・誤飲事故
*Parents 「Why you should definitely swaddle your baby?
*Harvard Health Publishing 「Should you swaddle your baby?


この記事を書いた人/オルセンまいこ
IPHI妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント
Sleep and Play代表
横浜市出身。四年制大学卒業後、横須賀市でNPOと行政関連の仕事に就く。国際結婚、海外出産。アメリカ人夫と5歳娘・3歳息子。一年の半分以上は、ワンオペ!子宮内外同時妊娠、卵管摘出手術、海外でのワンオペ、コロナ隔離、壮絶夜泣き、などなど、いろんな逆境があったからこそ、今悩んでるママに寄り添える自信があります!